一般社団法人 電池工業会
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一般社団法人 電池工業会
会長 依田 誠

平成29年・年頭のご挨拶

 新年あけましておめでとうございます。
 2017年の新春を迎えるにあたり、一言ご挨拶を申し上げます。

 日頃より電池業界のご理解と発展に、ご厚情を賜っております関係各位に対しまして心より感謝申し上げます。

 思い返せば昨年は、年始より大きなニュースに驚かされた1年でした。
 北朝鮮の水爆実験、頻発するテロ、そして5月には英国のEU離脱のニュース。経済においても、東京株式市場が年始から6営業日続けて値下がりするという前代未聞のスタートとなり、日経平均は一時16,000円台まで下落しました。上半期だけで重大ニュースが出そろったかに見えましたが、11月にはトランプ氏の次期大統領選出というビッグサプライズがあり、それに伴う円安・株高で幕を閉じました。

 工業会の取り組みとしましては、昨年10月に「コイン形リチウム一次電池誤飲防止パッケージガイドライン」を発行しました。会員メーカー各社は、このガイドラインに準拠した、幼児が素手で開けられないパッケージを、2018年3月を目途に順次、市場に導入する予定です。
 また、東京慈恵会医科大学との共同研究により、コイン形リチウム一次電池を誤飲し、食道に電池が停滞した場合の影響を解析して、電池改良の目標設定と改良への足掛かりをつかむ取り組みを行っています。
工業会では、安全で安心な電池を消費者の皆様へお届けすべく、今後も取り組みを継続していく所存です。

 さて、2016年は自動車メーカーも大きな方向転換をした1年でありました。
 ドイツを中心とした欧州の新車メーカーはEV化への動きを加速しています。中国は国策としてEVとPHEVの普及を推進しており、購入者に対する補助金や充電インフラ設置に対する補助金を支給しています。中でもディーゼル車の排出ガス規制で不正のあったVWは、一転してEVへのシフトを鮮明にし、「2025年までにEVを30車種投入し、25年に販売台数の20〜25%をEV」とする計画を発表しています。

 ここで1つ、面白い試算をしてみましょう。
 世界の新車販売台数は現在、年間およそ9,000万台ですが、インドなど途上国での需要拡大に伴い、将来的には1億台が見込まれます。そのうちの10%がEVとすると、世界で生産・販売されるEVは1,000万台です。1台のEVに搭載されるリチウムイオン電池の容量を仮に100KWhとすると、1,000万台×100KWh=1,000GWhものリチウムイオン電池の需要が生まれます。2015年の車載用リチウムイオン電池の世界の生産能力はおよそ30GWhでしたので、ざっと33倍のリチウムイオン電池が必要ということになります。
 とはいえ、最近の予測では2025年のEV販売台数は250万台と言われています。先ほどと同様の計算では、リチウムイオン電池の需要は250GWhですから、1,000GWhになるまでには、さらに5年〜10年くらいかかるかもしれません。
 いずれにしましても、車載用リチウムイオン電池の市場規模が拡大していくことに変わりはありません。このような状況を見据えて、工業会としましてもリチウムイオン電池関連の国際規格化でリーダーシップを発揮してまいる所存です。
 今後とも、関係省庁ならびに関係各位のご指導、ご支援をお願い申し上げます。

 結びに、今年の干支、丁酉(ひのと・とり)を五行で解釈すると、“ひのと“は「火(ひ)」、“酉“は「金(か)」。火と金は相性が悪く“相剋“の関係と言われているそうです。
 相剋、即ち「対立・矛盾する2つのものが互いに相手に勝とうとして争うこと」であり、色々な意味で競争が激化する年と読み解くこともできそうです。もっとも、ビジネスの世界において競争は日常茶飯事の出来事であり、常に“治に居て乱を忘れず“を肝に銘じている私たちにとっては、チャンスの年にもなり得るのではないでしょうか。

 願わくば、2017年が会員各社様の飛躍の年とならんことを祈念して、年頭のご挨拶といたします。