一般社団法人 電池工業会
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乾電池使用機器の電池室・端子部の寸法設計指針

◆はじめに
一般社団法人 電池工業会では、乾電池事故の防止を目指し“乾電池使用機器の電池室・端子安全設計ガイドブック”を発行し、乾電池使用機器設計者の皆様に安全設計をお願いしてきました。このお願いを通じて逆装てん防止構造、ショート防止対策などを採用した使用機器が増えてきましたが、一部の機器においては、JISで規定されている乾電池の端子寸法が十分に加味されずに機器の電池端子部の寸法設計が行われることによる不具合が発生している状況も見受けられます。
この状況を踏まえ、この度ガイドブックをホームページにおいて無償公開すると同時に、より一層皆様方のご理解ををいただくために、ガイドブックの中で特に電池室・端子部の寸法設計において重要と思われる注意事項をピックアップし、この“乾電池使用機器の電池室・端子部の寸法設計指針”を作成しました。この作成に当たっては、乾電池使用機器は日本国内だけでなく海外でも使用されることを想定し、できるだけ多くの国の乾電池が使用できることを考慮し、乾電池関係の国際規格(IEC規格)及びJISとの整合性を重視しました。したがって、要求事項に近い表現もありますが、記載している図なども事例で、あくまでもお願い事項であり、乾電池と乾電池使用機器との寸法・形状によるミスマッチの防止に大いに役立てていただきますようお願いします。
この指針に記載していない乾電池サイズなどの使用機器をお考えの場合は、ぜひ電池製造業者又は電池販売業者にご相談ください。また、この指針に基づいて機器設計をされる場合、内容について不明な点、さらに詳細な説明が必要な場合にも電池製造業者又は電池販売業者に直接お問合せ頂くことをお奨めします。

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乾電池使用機器の電池室・端子安全設計ガイドブック[PDF 1.26 MB]PDF


◆対象の電池
この指針で対象とする乾電池は、マンガン乾電池、アルカリ乾電池及びニッケル系乾電池の内、円筒形乾電池であり、マンガン乾電池及びアルカリ乾電池では通称名で1形、単2形、単3形、単4形及び単5形の乾電池が、また、ニッケル系乾電池では通称名で単3形、単4形の乾電池が対象です。


◆機器正極端子部の設計
電池が逆装てんされた場合に、機器の正極端子と電池の負極端子の接触を防止する機器正極端子部の推奨構造例を図1に示します。この構造と電池の端子寸法から機器の正極端子部寸法を理論的に算出し、表1にまとめました。したがって、実際の設計に当たっては、電池室及び電池の寸法と公差(電池のガタ、着脱操作性など)を合わせて考慮した上でKH寸法を決めていただく必要があります。

C : 電池の負極端子接触平面の直径
F : 電池の正極端子の規定された突出高さ内の直径
G : 電池の正極端子のピップを除いた突出平面部から次高部までの高さ
K : 電池接続用の機器正極端子部の溝幅又は穴径
H : 電池接続用の機器正極端子部の溝深さ又は穴深さ

図1−機器正極端子部の推奨構造例

単位 mm
電   池 乾電池の端子寸法 機器の正極端子部寸法
負極端子 正極端子
通称 マンガン
乾電池
アルカリ
乾電池
ニッケル
系乾電池
C
(最小)
F G
(最小)
K a) H b)
単1形 R20 LR20 - 18.0 7.8〜9.5 1.5 9.6〜11.0 0.5〜1.4
単2形 R14 LR14 - 13.0 5.5〜7.5 1.5 7.6〜9.0 0.5〜1.4
単3形 R6 LR6 ZR6 7.0 4.2〜5.5 1.0 5.6〜6.8 0.4〜0.9
単4形 R03 LR03 ZR03 4.3 2.0〜3.8 0.8 3.9〜4.2 0.4〜0.7
単5形 R1 LR1 - 5.0 2.0〜4.0 0.5 4.1〜4.9 0.1〜0.4
注記 JIS C 8514、 JIS C 8515、 IEC 60086-2、 IEC 60086-5参照
 注a) K は、F よりも大きく、C よりも小さいこと。
 注b) H は、G よりも小さいこと。


◆機器負極端子部の設計
電池の負極端子は電池外装部からへこんだ設計がされている場合もあり、JIS及びIEC規格では、その最大へこみを規定しています(表2参照)。したがって、機器の負極端子部の設計においても、正極端子部と同様に、電池の負極形状及びその寸法を十分考慮する必要があります。

・機器負極端子にスパイラルスプリングを使用する場合
スパイラルスプリング端子の先端はら(螺)旋の中心に向けて折り曲げ、電池外装に破損を与えないようにし、その先端巻部直径は電池の負極端子接触平面の寸法Cより小さくして下さい。
接触圧については良好な電気的接触を維持できる程度が望ましく、過度の接触圧は電池の装てん、取り外しを困難にし、電池の外装を破損させたり、接点を変形させる原因となります。

・機器負極端子に板ばねを使用する場合
板ばねは、寸法Cよりも小さな幅の材料を使用し、さらに電池負極端子の外装部からのへこみ寸法E(最大)を考慮し、
突起又はピップ(小突起)を設け、電池との確実な接触をはかる必要があります。平面接触は避けてください。

               図2−機器負極端子の形状例
 
 
通 称 電池負極端子へこみ寸法(最大)
E
電池負極端子平面の外径(最小)
C
単1形 1.0 18.0
単2形 0.9 13.0
単3形 0.5 7.0
単4形 0.5 4.3
単5形 0.2 5.0
注記 JIS C 8514、 JIS C 8515、 IEC 60086-2、 IEC 60086-5参照


◆機器端子部の設計上の注意事項
電池から電気エネルギーを取り出すためには、電池と機器の端子部が確実に接触している必要があります。しかし、機器側での逆装てん防止の構造は、その設計寸法により、希に電池との接触不良を起こす不具合が発生することがあります。一方、過度の強すぎる接触も避ける必要がありますので、端子部の設計上の注意事項を取り上げました。
・電池室の端子の形状、寸法を設計するときは、ある特定電池製造業者の電池の寸法と公差に基づいて設計しないでください。JIS C 8515、IEC 60086-2に規定された電池寸法の公差限界の電池を用いても電気的接触が完全に得られるように、電池特に正極及び負極端子の形状、寸法とその公差を考慮してください。
・機器負極端子部には、一般的にスパイラルスプリング端子が多く用いられ、電池の出し入れ時のスプリング効果や電池装着時の接触圧力保持に利用されています。したがって、他方の機器正極端子部に、負極側と同じスパイラルスプリング端子を採用しますと、負極端子部と誤認され、電池の(+)、(−)逆装てんトラブルを発生させる要因になりますので、機器正極端子部にはスパイラルスプリング端子の使用を避けてください。
・機器端子部の接触圧は、単1形及び単2形乾電池では、9.8 N(1 kgf)以上、29.4 N(3 kgf)以下が望ましく、単3形、単4形及び単5形乾電池では、4.9 N(0.5 kgf)以上、9.8 N(1 kgf)以下が望ましい値です。


◆電池室設計上の注意事項
電池室の壁と電池との間に大きなすき間がありますと、電池が電池室内で斜めに装てんされて、接触不具合のトラブル要因になりますので、電池がガタつかないように配慮してください。


◆アルカリボタン電池を使用する場合の注意事項
アルカリボタン電池を2個以上使用する機器を設計する場合は、使用される電池メーカーに安全の確認を行ってください。